先日、久しぶりに寝坊してしまい仕事の手が空いた昼前にジムへ。こんな時間にトレーニングするのは2年ぶりくらい。午後の施術予約の時間前に終わらせて帰るべく猛ダッシュでメニューを消化していると、スタッフのお姉さんから話しかけられました。
「負荷が抜けてますよ」
「………はい!?」
使っていたのはウェイトスタック式のペックフライマシン(上図参照)。長方形のプレート(重り)が積み重なっていて、その間にピンを刺すことで任意の重量を決定し、そこからケーブルや滑車を通して繋がったハンドルを押したり引いたりすることで大胸筋や三角筋後部に負荷をかける仕組み。
お姉さん曰く、持ち上げたプレートを完全に下ろし切ってしまうとケーブルには重さが伝わらない。そうなると筋肉への刺激が途切れることになるから勿体無いですよ、と。
……オマエハ何ヲ言ッテイルンダ? ワザワザソンナコトヲ言ウタメ、セット中ノ私ノ手ヲ止メサセタノカ。今、急イデルンデスケド!
ちょっとイラっとしかけて、その言葉の裏の意図に気が付く。プレートを下ろし切ると、プレート同士がぶつかる。その際にどうしても金属音が発生する。それがうるさいと言外に言いたいんだな、と。私は発達障害気質だからこの手の婉曲的表現を理解するの苦手なのよ。それでも最近はなんとか真意を汲み取れるようになっただけマシだけどさ。
「アァ、ハイ、ナルホド、ソウデスカ。ソレハドウモ」
当たり障りのない返事をしてやり過ごす。けど、俺そんなにガチャンガチャンやってないんだけどなぁ。ネガティブ(下ろす)動作もしっかりコントロールして、プレートが触れ合う音を目安に動作を切り返してるし。トップから完全に力を抜いてプレートを自由落下させてガッシャーン!なんてやってないぞ。
なんだか釈然としないまま次セットを始めると、すぐに別のお姉さんがやって来た。モテモテだ。今度はストレートに「マシンの音が響いてうるさいから気を付けてください」と。ここに至って遂に私の中の老害さんスイッチがオンに。
「フリーウエイトにせよマシンにせよ、扱ってるのは重たい鉄塊だからある程度の音が出るのは仕方ないのでは? だからこそトレーニングジムという場所があるんじゃないの。私の使用法は常識の範囲内だと思う。
あと、このマシンはハンドルの遊びが大き過ぎて貴方の言うような使い方をすると可動域が狭くなり過ぎて狙った筋肉にストレッチ刺激を効かせられなくなる。いい機会だからお願いするけど、ケーブルの緩みを調整し直すように上司に言っといてくれないか」
早口でまくし立ててしまう。我ながらみっともないねぇ。彼女たちを言い負かしたって何の意味もないのに。上司からの「うるさいのは注意しろ」って指示に従ってるだけだろうし、私の主張を理解して「じゃあ音を出してもオッケーです」と許可を出す権限なども持ってはいないはず。「あの客メンドくせえ、ウゼェ」と思われるのが関の山。
お互いにとって最も幸せなのは、私が二度と寝坊をせず、彼女たちが出勤する前の早朝にトレーニングを済ませることで顔を合わせないことかねぇ。
と、ここまで書いてハッと気付く。以前からこのジムでは妙ちきりんなパーシャルレンジ(可動域を部分的に使う)でマシントレーニングを行なっている方がやたらと多いのを不思議に思っていたのだが、もしも入会した初心者にマシンの使用法を教えるオリエンテーションで「ウエイトを完全に下ろすと負荷が抜けるので絶対ダメです。ガチャンガチャン音をさせるのは厳禁です」と指導していたとしたら?
筋トレ的に「負荷を抜かない」ことと「可動域を大きく使う」ことはどちらも大切。どっちを優先するかはケース・バイ・ケース。しかし、それを「音を出さない」ために行うのは本末転倒どころの話じゃない。
一般的にパーシャルレンジでのトレーニングは筋肥大においても筋力強化においてもトレーニングの効果は著しく落ちる。それでいて扱える重量はフルレンジ(可動域をいっぱいに使う)よりも重くなるから、意図せず無理をした結果フォームを崩したり、関節に負担がかかって怪我や故障の原因となったりするケースも多々あるとか。……これってマズいんじゃないの?
ま、あっしにゃ関わりのねぇこってござんすがねぇ。
追記:今朝のジムで件のマシンのケーブルの緩みが調整されているのを確認。ジムのお姉さん、ワガママ偏屈な老害さんのリクエストを聞いてくれてありがとうね(……とブログには書いておこう)。
【今日の筋トレ】
(脚)バーベル・スクワット 102.5kg 4×5
(肩)ベーベル・オーバーヘッドプレス 40kg 3×8
(胸)フラット・ダンベルフライ 20kg each 3×12
ペックマシン・フライ 57kg 1×20(レストポーズ法)
&ケーブル・プレスダウン 36kg 2×15(スーパーセット法)
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