「身体は使ってあげること、動かしてあげることが一番の手入れである」と常々言って来ました。しかし、なんとこれは『人間だけ』のハナシ。
他の動物はゴロゴロダラダラしていても筋肉が落ちたり、弱くなったりすることはないそうです。動物園の狭い檻の中でもゴリラはゴリマッチョだし、ライオンや虎の咬合力が落ちて顎関節症になることもないし、カゴの鳥たちが二度と飛べなくなることもありません。
なぜ人間だけがこんなに弱いのか? これは進化しすぎ巨大化した脳に優先的にエネルギーを送るため肉体が退化したせいではないかと言われています。かつては他の類人猿と同じ強い肉体を持っていたものの、脳が大きくなるのと引き換えに筋肉に関する遺伝子が書き換えられてしまったらしいのです。
その結果、人間の筋肉は使われないとすぐに弱くなり、細くなり、硬くなります。『廃用性萎縮』と呼ばれる変化です。これは加齢による体力低下とは違って若い人でも起こります。
具体的な例としては骨折でギブスを当てていた脚が細くなったり、宇宙飛行士が地球に帰還後立てなくなったり(宇宙に滞在中、抗重力筋群が使われなかったため)。生き物としてはかなり極端な状態なのですが、これが日常的に起きてしまうほど私たちの日常生活は便利になり、神様の想定以上(?)に身体を動かさなくなってきているということなのかもしれません。
もし、あなたがゴリラ並の遺伝子を持っていて何もしなくても筋肉隆々で「鍛えることは女々しい」と感じるならば、あるいは「もともと強いからよ」と嘯けるなら話は別ですが、どうぞ「身体は使ってあげること、動かしてあげることが一番の手入れである」ことを忘れないでくださいね。
参考:ナショナルジオグラフィック・人間の脳は筋肉の退化と引き換えに進化https://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/news/14/9285/
2 件のコメント:
ふむふむと読みました。
私は今歩くくらいしか運動的なものをしていません。目標1日8000歩。
いつも考えるのはそばでぐうぐうゴロゴロ寝てる猫のこと。
いつもこんななのにいざというときの運動能力と言ったら!
なんで鍛えていないのにこうなのか、って。
ああ〜人間だけが、、、。
ここ読んで納得。
>バババさん
確かにネコの怠けっぷりは羨ましいくらいですしね。
ただ、私たちがあれを真似してしまうと足弱寝たきり一直線です。
これは私感ですが、このような貧弱な肉体を持った人間だからこそ
「身体を動かすのが楽しい」と感じる報酬系が発達したのかなぁ、と。
それにしても一日8000歩は素晴らしい!
ともに楽しみながら身体を動かしましょう。
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