「長引くマスク生活のせいで横隔膜が固くなっている」とおっしゃる整体師さんがいらっしゃるとか。
横隔膜とはお腹の中で胸（胸郭）とお腹（腹腔）を隔てるドーム状の筋肉。私たちはこの横隔膜を上げたり下げたりすることで肺を膨らませたり絞ったりして呼吸しています。そんな大事な筋肉が固くなったり、弱くなったりしたら大問題じゃないですか。寝てる間に横隔膜がくたびれ果てて呼吸が止まったら一大事！
安心してください。そんなことは絶対に起こらないし、一年半程度のマスク生活で横隔膜が固くなるとか弱くなる心配はありません。
横隔膜ってのは人間が生きてる間中ずーっと、寝てる時にも、呼吸を忘れている時さえも絶対に休まず動き続ける筋肉です。心臓の筋肉に次いでタフで働き者。他の骨格筋とは別格の筋肉なのです。
しかしまぁ、マスク生活で呼吸が浅くなっている方も多いのは確か。これは「口や鼻の前に異物があると、それを吸い込まないように無意識に吸気を抑える」という生き物としての本能から来るもの。マスクを外せる場所や時間では一旦外して大きく深呼吸しましょう。
上記が信じられない。どうしても横隔膜が弱くなるのが心配って方は鍛えましょう。横隔膜も筋肉ですから鍛えれば強くなります。ラジオ体操式でも、腹式呼吸でも、逆複式呼吸でも、ドローインでも、ヨガの呼吸でも、とにかく横隔膜を大きく動かして上下させ続ければ、確実に横隔膜の筋力はアップし、強く深い呼吸が出来るようになります。
最後に蛇足ながら注意喚起。今後、お腹周りを揉むような『横隔膜剥がし』とか『横隔膜ほぐし』とかってインチキ施術が出て来る可能性があります。そういうのに騙されないようにしてくださいね。ちょっと前に流行った『腸揉みマッサージ』でもかなりの数の事故があったそうです。腹部打撲、肝臓破裂、腸管出血、遊離肋骨骨折などなど。
お腹って、そうそう簡単に他人に触らせるもんじゃありませんよ。ワンちゃんや猫ちゃんだってお腹を触らせるのは絶対的に信頼してる飼い主だけでしょ？
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