冷やす場合
・ケガした直後〜48時間まで(急性期)
・患部が熱を持っている場合(熱感)
・じっとしていても患部が痛い(疼く)場合(安静痛)
・コブや腫れ、青あざなどが出ている場合
冷やし方
氷嚢やスポーツアイスバッグ(上の動画参照)に氷水を入れて患部にあてる。氷嚢がない場合はビニール袋に氷水を入れてタオルなどで包んで使用。
連続して冷やすのは20分まで。その後、2時間空けて再度20分冷やします。これを繰り返して就寝まで。受傷当日は入浴はシャワーで済ませましょう。湯船に浸かるのはNGですよ、念のため。翌日も強い熱感や安静痛があれば引き続き20分冷却→2時間休憩を繰り返しましょう。
なぜ冷やすのか?
打ち身や捻挫、肉離れなどの場合、深部皮膚や筋肉の細胞、毛細血管が壊れます。壊れた細胞からは細胞液が、破れた毛細血管からは血液が浸み出し、患部の周りの正常な細胞まで水浸しにしてしまいます。水浸しになった細胞には栄養や酸素が正常に送られなくなり壊死してしまいます。
これが『青あざ』の発生原因。ケガした直後はなんともなくても翌日以降に患部が青黒くなったり、痛みが強くなるのはこのせいです。
ケガした直後にアイシングすることで細胞液の浸潤や血流を低下させ、細胞の壊死を抑えます。この結果、青あざも痛みも無処置の場合よりグッと小さくなり、さらには以降の回復も速やかになります。
逆に受傷直後に温めると血流増加から内出血が増えて青あざは大きくなり、痛みも強くなります。回復も遅くなり、患部の筋肉に引き攣れが出て可動域に制限が出ることも。
以上は私自身も若い時に下手の横好きで武道格闘技をやって、毎日傷だらけで赤タン青タン花盛りなりし頃に我が身をもってイヤってほどに体感実感しております。
冷やし過ぎに注意
つまり「冷やして痛みを散らす」のはアイシングの主目的ではないのです。冷却による痛覚麻痺はあくまで二次的な効果。気持ちいいからといって冷やし過ぎるのは禁物です。そもそも過度の冷却は凍傷になる危険性があります。アイシングを20分までとするのも、氷を直接あてずに氷水を使うことも凍傷を防ぐためなんです。
また、患部の状態が回復期へと移行する3日目以降も冷やし続けることは治癒を妨げることになりかねません。以降は治癒を促す『温める処置』へと移行すべきでしょう。『温める』については後日記述しますね。
おまけ
・遅発性の筋肉痛について
「会社のソフトボール大会で頑張ったら2日後に痛みが出た」なんて患者さんが年に何人かあります。いわゆる遅発性の筋肉痛です。痛みの出る理屈は上記に準じており、運動したことで筋肉の細胞に傷が付き、それが健康な細胞をさらに傷付けて……というもの。
これは冷やすべきか、温めるべきか?
時間経過的には急性期を過ぎているので温めてあげてください。お風呂に浸かってしっかり温まりましょう。温熱効果と水圧によるマッサージ効果が効きますよ。
なお、遅発性の筋肉痛がよく出る方は日常的な運動不足である可能性が高いです。これを奇貨として簡単な体操やストレッチを始めてみるのはいかがですか? 当ブログでも毎週月曜日に簡単な体操やストレッチ法を紹介していますよ♪
・冷湿布について
冷湿布は昔々、冷蔵庫もコンビニもなかった時代に、それでもなんとか患部を冷やすためにメリケン粉を水で溶いて布に塗って患部にあてたのが起源。現在の冷湿布はハッカの成分を入れたり、経皮鎮痛剤を練りこんだりと工夫はされていますが、その効果に対して個人的にはかなり懐疑的です。っていうか全く信頼してません。
今では冷蔵庫が勝手に氷を作ってくれ、なければコンビニまで走ればいいのですから、まずはアイシングを優先すべきだと思います。
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以上、先日のNHK『東洋医学ホントのチカラ』の酷すぎる内容が癇に障り過ぎ、ついカッとなって書き散らしてしまった。後悔はしていないw
(胸)ベンチプレス 70kg 3×10
ペックマシン・フライ 50kg 3×10
(背)プルアップ(リバースナローグリップ) 2×10
(脚)レッグ・エクステンション 43kg 3×10
(上腕)ケーブルカール&プレスダウン 36kg 3×10
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