筋トレにおいて「ホリゾンタル・プレス」と分類される種目群があります。バーベル・ベンチプレス、ダンベルプレス、マシン・チェストプレスなど。自重での腕立て伏せもこれに含まれます。ざっくり言うと腕を前方に差し出す動作のこと。
これらの種目において『握力』に言及されることはあまり無いようです。強いて挙げるなら「握力が弱すぎるとバーベルやダンベルの重さに手首が負けて(過背屈して)しまい、痛める原因になる」ってくらい。中には「握る動作は屈筋、プレス動作は伸筋だから、伸展動作を邪魔しないよう、できるだけ握り込まないようにした方がいい」って意見も。
しかし、個人的な体感ではあるのですが、これらの種目を行う際には力を込めてしっかりとシャフトやグリップを握り込んだ方がバーベルやダンベルの軌道が安定し、大胸筋や上腕三頭筋の収縮が感じやすくなるんです。結果として挙上重量や回数がアップ。
また、マシンによるチェストプレスではその構造上から動きの軌道がブレたり、ウェイトを落としたりということが絶対に起こらないため、グリップを握らずに開手の掌底部で押すだけでも動作は可能なのですが、やはりしっかり握り込んだ方が挙上重量は上がるし、体感的にも大胸筋に負荷が“入る”んです。そういや腕立て伏せも手のひらをぺったり床に付けるより、プッシュアップバーを使った方が“効く”よなぁ。
ここで思い出したのが『グラップラー刃牙』に出てくる素手喧嘩(ステゴロ)の天才、日本一の喧嘩師こと花山薫ってキャラクター。超絶的な握力の持ち主で「体重×スピード×握力=破壊力」という極真空手創始者の故大山倍達氏の持論を具現化(上図参照)。まぁ、漫画ではありますが(汗
一部では「花山理論」と揶揄され「いやいや握力はカンケーないやろw」と笑いのネタにされることも多いこのトンデモ(?)数式。現代格闘技においては拳を強く握り込むことはパンチのスピードを落とす(前述の屈筋と伸筋の相反による)ので、握るのはインパクトの一瞬だけというのが常識とされています。
拳のスピードという一点においては、これは正しいのでしょう。しかし、破壊力(というか筋出力? パワー?)においてはどうか。拳を握り込むことによってプレス動作における大胸筋、三角筋前部、上腕三頭筋の出力が増加したり、協働性が高くなったりしている可能性はないでしょうか。
んまぁ、バーベル・ベンチプレスで1RM(一回だけ挙上できる重さ)がギリギリ100kgに届くかどうかのヘナチョコトレーニーの個人的な体感なので何のエビデンスもないし、「お前の気のせいだ」と言われりゃ、そんな感じもするけどさ。
元ネタとなったマス大山は10円玉を指で捻り曲げたとか、一本指で指立て伏せをしたとか、握力に関するエピソード(伝説?)の多い御仁。ただの自慢話やホラ話じゃなくて、なーんかそこに身体操作に関する真理ありそうな気がするのよねぇ。握力、鍛えてみようかしら?
【今日の筋トレ】
(胸)バーベル・ベンチプレス 70kg 3×10
ケーブル・クロスオーバー(上部)4.5kg each 3×12
(背)バーベル・ベントオーバーロー 70kg 3×10
(肩)ペックマシン・リアデルト 50g 3×12
(脚)マシン・レッグカール 57kg 3×10
(上腕)ケーブル・カール 29kg 2×12
&ケーブル・プレスダウン 29kg 2×12(スーパーセット法)
(HIIT)ローイングマシン 8×20sec
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