『呪文』を使う整体師

「センセ、私の右足長いですか？」

　施術中に患者さんから質問。ああ、またかぁ。それ、どこで言われたの？

「前に通ってた整体院で、私は生まれつき右足が長いから腰痛が出るんだって言われて。だから定期的に調整しに来なきゃダメだって」

　『足の長さが違う』ってのは腕のないボンクラ整体師が使いたがる古臭いセールストーク。手垢ベッタベタのテクニックだけど、それでも騙される人が後を絶ちません。

　まず大前提として、左右の下肢が完全に同長である人間なんてごくごく少数。多少の左右差はあって当たり前。そして、その誤差は足関節（足首）、膝関節、股関節、脊柱の関節群が上手にバランスをとって、帳尻を合わせているんです。

　つまり『足の長さが違う』ことが問題ではなく、各関節の不調により左右のバランスの取れなくなっていることが問題。それをことさら『足の長さ』を大げさに煽って患者さんに不安感を植え付け、足繁く自分の店に通わせるように仕向けるなんて商売のやり方がゲス過ぎます。

　悪意ある言葉によって人の行動を縛るわけですから、これはもう『呪文』とか『呪い』の類い。そうでもしなきゃ店やってけないんだったら商売諦めたら？　

　ちなみに件の患者さん、そこまで脅されてたのにウチに鞍替えしたのは「言われて通ったけど、ちっとも良くならなかったんでしょ？」と聞くと、深く頷いてました。ま、そーいうことですわなw

　ちなみに、加齢による関節の変形により下肢に左右差が発生する方や、先天性の大きな左右差があっても若い頃は上手にバランスが取れていたものの、筋力や平衡感覚の低下とともにトラブルが出る方などもいらっしゃいます。これらは病院でレントゲンなどで画像診断をしてもらえば一目瞭然です。上記のように整体師に脅かされて不安になった方は病院で診察を受けるのもひとつの手段ですよ。

　なお、これは手前味噌になってしまうのですが、病院で下肢の左右差による腰痛と歩行異常とされた高齢女性が当院の施術後に下肢長が揃って腰痛が軽減。特殊な医療用インソールの作成が中止となったケースもあります。原因は仙腸関節（骨盤の継ぎ目）の亜脱臼でした。

追記・上の動画は本文とは関係ありません。レインボーマンが変身する時の「アノクタラ サンミャク サンボダイ」は当時４歳の私が生まれて初めて覚えた呪文……と思っていたけど、実際には仏教の経文の一部。長じてから般若心経の中に同じ文言があると知った時には目が点になりましたw

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【今日の筋トレ】
（胸）バーベル・ベンチプレス 70kg 3×10
　　　ケーブル・クロスオーバー（上部）4.5kg each 3×12
（背）バーベル・ベントオーバーロー 70kg 3×10
（肩）ペックマシン・リアデルト 50g 3×12
（脚）マシン・レッグカール 57kg 3×10
（上腕）ケーブル・カール 29kg 2×12
　　　　＆ケーブル・プレスダウン 29kg 2×12（スーパーセット法）
（HIIT）ローイングマシン 8×20sec