2018年6月9日土曜日

グルコサミン、コンドロイチン、ヒアルロン酸


「アレってどうなんですか?」とよく質問されることがあるのが、グルコサミンやコンドロイチン、ヒアルロン酸などが配合されたサプリメント。

『軟骨成分を補おう!』とか『スムーズな動きに!』、『軽快な毎日!』などというキャッチコピーが付けられて、毎日のようにテレビでも宣伝されています。

「アレを飲めば、テレビで紹介された愛用者みたいに痛みが消えて元気に歩けるようになりますか?」と。

 さて、私はどう答えるべきか。難しい質問です。

 まず、あくまで冷徹に、感情を交えずに回答するのならば「効果効能は一切ありません」って事になります。

 確かに上記の3つは、どれも関節内にあって大事な役目を果たしている物質です。しかし、それらを口から取り入れてもダイレクトに関節に届く事は絶対にありません。

 ざっくり説明すると、経口摂取された全ての栄養分は、胃や腸で『アミノ酸』という栄養の最小単位にまで消化分解された上で体内に取り込まれます。その上で必要に応じて体内各所に送られで様々な姿に再構成されます。

 つまり、グルコサミン錠を飲んでも、その構成成分が関節でグルコサミンとして再構成される保証はありません。もっと言うなら、人体の関節は総数260以上。その中で痛い関節に集中しグルコサミンを増やすなんてのは常識的にどう考えたって無理な話。

 よく使われる乱暴な例え方をすれば「じゃあハゲが髪の毛を食えば頭から毛が生えるのかよ」と。確かにその通りなのです。

 でもねぇ。私は全ての患者さんに上記のように説明して「効かないから止めときなさい」と言い切れないんです。

 その昔、私が格闘技の練習で無茶をして股関節を壊し、歩行もままならなくなった時、やはりグルコサミンに一縷の望みを託しました。そして、当時かかっていたお医者さんに「効きますか?」と訊ねました。

「そんなのね、効くんだったらとっくに処方薬になって、僕が出してますよ」

 一蹴されました。けんもほろろでした。返答を聞いた時には心が凍りつく思いでした。それで私はどうしたか? 飲み続けました。決して安くはないサプリメントでしたが、藁にもすがりたかったからです。だって、そのお医者さんは私の痛みを治してくれなかったから。

 その後、縁あって現在の整体術の師匠と出会い、日常生活に問題のない状態まで股関節を治していただき、それがキッカケとなって、今現在の整体師としての私がいるのですが、それはまた別のお話し。

 『ブラシーボ効果』ってのがあります。これも難しい説明は省きますが、「効く」と思えば、ただの砂糖玉でも頭痛をやわらげたり、疼痛を抑えたりすることがあるのです。私自身、グルコサミンを服用している時に「少しは痛みがやわらいだかな?」と感じられる瞬間があり、それがあったから、あの痛みと不安に苛まれ続ける地獄のような時間を耐えられたのではないかとも思うからです。

 だから、最初に戻りますが「どうなんでしょう?」と質問されたら、絶対に頭ごなしに否定はせず「ああ、お飲みになってるんですね。私はサプリメントには詳しくないんですが、どうですか? 少しは楽になりましたか?」と。

「ちょっとは良いみたいです。痛みも少し軽くなりました」と返ってくれば「それは良かった。でも、あまりサプリメントに頼りすぎも良くないですから、用法容量は必ず守ってくださいね」と。

 少々尾篭な話になりますが、以前に「飲んでると調子いいけど、便が白くなって困る」とおっしゃってた患者さんがいらっしゃったのです。つまり、消化しきれないほど大量に服用されていたのです。それは流石に……ねぇ(汗)

 逆に「それが少しも痛みが取れなくて……」と返答が返ってくれば「あれね、テレビでも『個人の感想です』って出てますから、きっと○○さんには合わないんじゃないかなぁ。無理して飲むことはないと思いますよ」と。

「いや、頼もうかどうか迷ってるんです」という方には「もし、本当に効くんならお医者さんが出してるはずですけどねぇ」と、私の経験を話して、やんわり制止したり。

 あ、念のために書いておきますが、上記はすべて御高齢の患者さんに対して、ね。時には科学や医学よりも感情や情緒を優先すべき場合もあるのです。少なくとも私はそう考えています。
 
 もし、少なくとも私よりもお若い方がそんな寝言を口にしたら「わりゃ、そんなインチキ商売に銭突っ込む余裕があるんなら、いっぺんでも余計にウチに来んかい! きっちりバッチリ治しちゃるけん、性根据えて覚悟せいやッッッ!」と血相変えて凄みますんで、ご注意を……って、それは冗談ですけど(笑)

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