2017年6月19日月曜日

フェイント?



「むかーしさ、山梨の方にギックリ腰を治す名人の爺さんがいてさ」

「ああ、聞いたことあります。俗にいう『一発屋』さんですね」

「そうそう。行くと『おう、そこ座れ』なんて横柄な爺さんでさ。そんで『今日は天気がいいなぁ』なんて世間話を始めたと思ったら、突然ドンッ!って背中を小突かれて。それで不思議と痛みが取れてたんだよなぁ」

「あはは、今の時代はそんな乱暴な施術できませんけどねぇ。さ、ちょっと膝を立ててもらえますか?」

「こうでいいか?」

ドンンッッッ!!!

「うわ! ビックリしたぁ」

「はい、これで立って具合を見てください」

「お……あれ、なんだ? 痛くねぇな」

 「やらない」と言ったそばから昔日の一発屋さんと同じマネ。我ながら人が悪いと思いますが、これって療術家にとっては有効な裏技的テクニックだったりするのです。患部を触られると緊張してしまう人や、関節を整復するのに大きな力をかける必要がある部位など、こういった『フェイント』が有効。

 もちろん、患者さんに痛みを感じさせず、なおかつ瞬間的に正しい方向に大きな力を加えられるようになるには相応の修行や経験が必要ですけどね。

 あ、念のために申し上げておきますが、こういう施術を患者さん全員が全員に施しているワケではありませんよ。ほとんどの方は終始心地よく夢見心地で施術を受けていただいています。どうか怖がらないでくださいね……って、この言葉がフェイントじゃないかって? 大丈夫ですってば。あしたか院長は正直者のやさしい先生、怖いのは顔だけですよ(笑)

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