2017年6月12日月曜日

モナ王

「もう随分前にさ、頼まれて後援会に名前を貸したのさ」

「政権取って、あんなことになる前ですか?」

「そうそう、あの頃は何か美味いこと言ってたからさ、俺も少しは期待してたのよ」

「若いし、背は高いし、顔を良いし、誠実そうでしたしね。実際はどうだか知りませんけど」

「でさ、こないだ久しぶりに封書が来たのよ」

「県知事選も近いですしねぇ」

「それでさ、ほら、封筒にさ、印刷してあるじゃない。名前とか、事務所の住所とか。その政党名が修正してあってさ」

「党名、変わりましたからねぇ」

「古い封筒が在庫あるから修正して使うってのは分かるよ。でもさ、茶色のクラフト紙の封筒に、白い修正テープを雑に貼ってるだけ。ぞんざいにも程があるって。少なくともうちの会社じゃ、そんなもん客先には送らせないよ。だって、あまりにも失礼じゃん」

「ですよねぇ」

「しかもさ、新しい政党名がどこにも書いてないんだよ。ってことは……」

「泥舟から逃げる準備をしてるって噂もありますからねぇ。んで、中身はなんだったんですか?」

「知らない。腹ぁ立ったんで、開けないで捨てちゃった」

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