2017年3月30日木曜日

筋膜リリース療法


 患者さんとの世間話。

「夕べ見たテレビでね、注射で肩こりを治すってのやってて」

「へぇ、どんな薬を使うんですか?」

「それがね、ただの塩水(生理食塩水のことか?)なんだって。それを筋肉と筋肉の間に注射して、くっ付いた膜を剥がすんだって」

 今注目されている『筋膜リリース』療法の一種のようです。

 折り重なった筋肉や靭帯は『筋膜』という薄い膜に覆われており、その潤滑効果でお互いに影響されずスムーズに動いている。これがくっつくと筋肉の動きが悪くなり、可動域が制限され、血液リンパなどの循環も悪くな理、結果的に痛みの原因になるので、この癒着を剥がしましょう……ってのが理屈。

 いろんなことを考える人がいるもんです。ここで良からぬ思いつき。

「もし、その注射を私の硬い股関節にやってもらったら動きが良くなって開脚が早く出来るようになるかなぁ?」

 もちろん本気ではないのですが、その療法がちょっと気になったので『筋膜はがし』で検索。と、出てきた画像の一つにビックリ。

 一面に真っ赤になった背中。これってどういうこと?

 よくよく調べてみると、これも筋膜リリース療法の一種である『グラストンテクニック』なる技法の施術後の姿とのこと。専用の金属のヘラ(?)でゴリゴリ擦って筋膜を剥がすんだとか。

 曰く「瘀血が浮いてきて云々、好転反応が云々」ってホントにそうなの? これってどう見ても明らかに皮下出血してるでしょ。ここまで擦るって、間違いなく痛いでしょ?

 ネットに上がっている体験者の声は「めちゃくちゃ痛い」とのこと。

 そりゃそうだよねぇ。皮下出血するまで擦れば、その部位の筋肉が緩むから一時的には動きは良くなるでしょう。スポーツ障害への対症療法の一つとしてはアリかもしれない。でもねぇ……

 そのメチャクチャ痛い治療を高齢者に施術できるのだろうか? 無理じゃないのかなぁ。技術の説明を読む限り、この技法は「スポーツなどをやっていて相応の筋量があり、しかも回復力の高い若い人」向けだと感じました。

 そんな技法を「アレも治ります! コレも治ります! 最新です! 話題です!」って喧伝しまくるのって、ちょっと危険じゃないのかなぁ。他所さんの商売を邪魔するつもりはないんだけど……ねぇ。

 なお、当院で施術している日本古来の整体術は、下は幼児から、上は80歳を越えた高齢者まで痛みなく安心して受けていただけます

 大事なことなので大文字の太字のアンダーライン付きで書いてみました。

 そして、もうひとつ。

 『筋膜リリース』なる治療概念は近年現れたものですが、それ以前の施術療法はそれに対応していないのかと問われれば、決してそうではありません。当院の南龍整体術においても技法的には「筋膜に効く」ものも内封しています。ただ概念がなかったので言語化されていなかっただけ。

 それに、当然ながら肩こりや腰痛が筋膜を主因とするものばかりではありません。「目新しいから、宣伝になるから」と、そればかりをアピールしても仕方ないことですしね。


 年毎に咲くや吉野の山桜
木を割りて見よ 花のありかは

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