2016年4月10日日曜日

Slide Manにはなれなかったよ。


 昨年、身の回りの品を多数処分した時にも迷いに迷って手元に留めておいたリゾネーターギターを遂に手放しました。

 「リゾネーターギターって何?」って思われる方のためにちょっとだけ説明しますと、まだエレキギターが登場する遥か以前、ギターの音を大きく響かせる工夫を皆さんアレコレ行っておりまして、その中に『金属の共鳴板をボディに埋め込む』ってのがあり、それがresonate(鳴り響く)ギターって総称で呼ばれているのです。

 日本ではこの楽器を使った有名な音楽ジャンルから『ハワイアンギター』とか、有名なメーカーの名前から『ドブロギター』って呼び名で知られています。

 私がこのギターを買ったのは、大好きな音楽ジャンルであるブルースで使われているから。オープンチューニングと呼ばれる特殊な調弦で、スライドバーなるガラスや金属などの筒状の演奏器具(ボトルネックとも呼ばれており、かつては本当に瓶の首をちょん切って使っていた)を弦の上を滑らせ「ニョイ〜ン♪ ミョ〜ン♪」と独特な音を響かせるのです。ハワイアン音楽のアレと基本的には同じですが、ブルースの場合は、もうちょっと哀愁というか、切なさというか……こちらをお聴きください。




 映画『クロスロード』のワンシーン。ラルフ・マッチオ演じる主人公が惚れた女に騙されフラれた胸の苦しみをギターにぶつける名シーンです。使っているのはエレキギターですが、ま、こんな感じの音と雰囲気。

 実際に演奏しているのはライ・クーダーというアメリカの白人ブルース・ギタリスト。『スライドマン』の異名を持つ名手です。1986年公開の、この30年前の映画にシビレて、シビレて、シビレまくってねぇ。「いつかこの曲を弾けるようになりたい」と。

 しかしまぁ、あれから幾星霜。まーったく練習せず。床の間に鎮座しっぱなしのギターに申し訳なさと心苦しさと、それでも「きっといつか……」と手放せず。

 それが先日、上の曲を聴きながら、ふとハーモニカに手を伸ばすと……「あ、これ吹けるわ」。

 曲のキーはD、ハーモニカはセカンドポジションのG。ブルーノート・スケールで主旋律が追えるし、コール&レスポンスも(って、何言ってるか分からないでしょ? 私もホントについ先日までチンプンカンプンでしたw)。

 ともあれこの瞬間、私のギターへの執着はスッと消え去り、思い切って手放そうと決めたのです。

 せっかく音を奏でるために世に出されたギター。我が家の床の間で埃を被っているより、どこかの誰かが存分に鳴らしてくれればいいなぁ、と。

 結局「きっといつか」は訪れず、スライドマンにはなれないままでしたが、その代りに10ホールズ・ハーモニカにドップリとハマっているので、それはそれで良しとしましょう。

 私も人生の折り返し地点はすでに通り過ぎているのだから『やりたい事』と『出来る事』をきっちりと区別して、時間を有意義に使わなくちゃね。

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