2016年3月21日月曜日

本は大人への扉を開く


 中学受験を無事合格した甥っ子が遊びに来たので一緒に書店へ。

「入学祝い代わりに好きな本を買ってやるよ。ただし2000円以内な」

 ぼちぼち難しいお年頃に差し掛かりつつある甥っ子。店内をウロウロした末に「欲しい本が置いてなかった」と。

「じゃあ仕方ないな。置いてある中から選びなさい」

 彼が選んで、恐る恐るといった雰囲気で差し出してきたのは萌えっぽい(それとも今の標準的?)絵柄の漫画本3冊。受け取ると何も言わずにレジへ。甥っ子は少しホッとした表情。義妹には「こんな漫画を!」怒られるかもしれないが、まぁ、いいさ。

 帰宅してから、ちょっと一言。

「漫画を読むなとは言わない。けどな、漫画を一冊読んだら、活字の本も一冊読みなさい。もう大人の本が読める年齢、いや読まなくちゃならない年齢だぞ」

 そして、私の蔵書から三冊の本を渡す。

 百田尚樹氏の『カエルの楽園』
 青山繁晴氏の『ぼくらの祖国』
 そして『古事記のものがたり』

 『カエルの楽園』はベストセラー作家の最新作。カエルたちを主人公にして、戯画的寓話風に現代日本の世情をユーモラスかつ残酷に描写した物語。中学一年生には少々刺激が強すぎるかもしれないし、どこまで理解できるかも疑問だが、良い意味での洗礼となれば。

 『ぼくらの祖国』は辛口コメンテーターとしてテレビにも登場する独立系民間シンクタンクの社長が東日本大震災以降に「祖国を知らない若い世代に読んでほしい」と、やさしい言葉で「祖国とはなにか?」を語りかけるように書いた本。難しい漢字にはルビも振ってある。

 『古事記のものがたり』は、以前に患者さんから頂いた良書。古事記の前半、イザナギイザナミの国産みから天孫降臨、神武東征に至るまでの神代の巻をわかりやすい物語調で。世界的な歴史学者アーノルド・トインビー曰く「幼少時に祖国の神話を学ばぬ民族は滅びる」のだ。

 いずれも本当は必要なのに、学校では教えてくれない知識や事柄だ。

 それぞれ、どんな本かを簡単に説明して手渡す。甥っ子は『古事記』に一番興味をひかれたようだ。

「読んだら感想を聞かせろよ」と、叔父さんちょっと偉そうに言ってみたりして。

0 件のコメント: