2015年11月27日金曜日

背骨は何を支えている?

 昨晩、時間の都合がつかずに施術をお断りしたお馴染みさんが、今朝一番で飛び込んできました。

「昨日、我慢できなくて他の療術院に行ったら、余計に痛くなっちゃって。夕べは一睡もできなくて」と。

 この患者さんは調子が悪くなると決まって首が回らなくなり、ひどい頭痛も出ます。どんな施術を受けたのか聞いたらいきなり首を抱えてボキバキッって音がなるまで捻られた」とのこと。

 それを聞いて私まで頭を抱えてしまいました。海外発祥のその療術は事故の発生率の高さでも有名。言葉は悪いですが「痛みを取ってもらおうと思ったら、楽になるどころか捻り殺された」人も少なからずいます。いやはや、まだそんな施術を行う術者がいるとは。

 患者さんの身体を見せてもらうと、首、肩、背中の首を支え動かす筋肉がどれもこれもガチガチ。私は昨夜依頼を受けられなかったことを詫びながら、全身の緊張を緩めていくところから施術を始めました。

 首(頚椎)の調整は非常にデリケートです。絶対に力任せに行ってはダメです。首の据わっていない赤ちゃんを扱うように優しくやらねばなりません。力を入れたり、勢いを付けたりしなければ調整できないのなら、術師の腕の上手下手以前に、その術理自体を疑ってかかってしかるべきとさえ思います。

 当院では下は小学生から、上は90代のお婆さんまで同じ技術、同じ手法で施術します。首を抱えてバキボキッってのを高齢のお婆さん相手に出来ますか? 想像するだけで恐ろしいと思いませんか?

「背骨を整えれば万病が治る」と謳っているその流派は母国では正規の医療であると国の認可を受け、専門大学もあると聞きますが、商売が上手なのと、その術が『効く』かどうかは別のお話なのですよ。

 ちなみに……、さすがに今ではそんなことはないと思いますが、かつて、この療術の創始者だか、商売上手だったその息子だかが書いた教科書には背骨はカ◯ロプラクター(この流派における術者の呼び方)の生活を支えると堂々と書いてあったとか……やれやれだぜ。

 なお、件の患者さんは施術後に「ああ楽になった。やっぱり私には先生のが合ってる。これで今日も仕事ができます。ありがとう」と笑顔。私は他所さんのリカバーまで含めて汗だくでしたが「そうですね。昨日の治療院は◯◯さんには合わないようですから、もう止めた方がいいですよ」と。

 本当は「合う合わない」じゃなくて「治るか治らないか」の問題なんですけどね。

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