2015年11月12日木曜日

『代替医療の光と闇』読了

 実に面白い本でした。

 『生・老・病・死』の四苦からは誰も逃れられず、それでも運命に抗う姿は時として悲喜劇となりますが、アメリカの場合、大怪我や大病が、それ自体のダメージだけではなく、経済的打撃となって人生を狂わせるお国柄ゆえの事例も多々。アメリカ人の「健康狂い」は、私たちが「健やかで幸せな生活」を望むのとは根本的に異なっているのです。

 ちょっとした腰痛で「やれCTスキャンだMRIだ」と他国が羨む先進医療を大盤振舞(無駄遣い?)したりと我が国の国民皆保険制度には問題がなくもないですが、やはりこの制度は優れており、今後も外圧に負けずに守っていっていただきたいものだなぁ、と。

 本書の結論は腰巻の裏表紙側に。




代替医療には有益になる可能性はあるが、ブラセボ医療とインチキ医療をする者の間には、はっきりした境界線がある。線を踏み越えてしまうのは、次の四つの場合だ。

『役に立つ通常医療を勧めない』
『適切な警告なしで危険な治療法を勧める』
『患者の蓄えを空にする』
『呪術的思考を広める』

 私は開院に際してこれとほぼ同じ指導を師匠から受けています。

「病院に通いよる人は続けさせぇよ。コレコレこういう症例は手術受けた方が早い。はっきり言うてやれよ

「痛いおもい、怖いおもいさせたら患者さんは来んようになるで」

一発で決められる症状はその場で勝負付けな。何回も通わせたらあかん。長い目で見たら、その方が患者さんも増える」

「この技術はな、悪用すると教祖様になることもできる。けどな、それやったら破門や‼︎」

 この一致は絶対に偶然ではなく必然でしょう。

 先日も香川で「赤外線で腫瘍が消える」とやっててお縄になった自称女医がいましたねぇ。冷静に考えれば「アホらし。電気炬燵にあたってガンが治るか!」となるはずなのに、それでも遠路より足繁く通い、大金をつぎ込んだ犠牲者がいるのです。嘘か本当かネットでは『カリスマ女医』や『ゴッドハンド』と評判だったとか。

 ま、私は今後も地道に、真面目に。カリスマとも神の手とも無縁な一介の整体師として、おひとりおひとりと真摯に向き合い、身体の動く限り施術を続けていきましょう。

 開院当初から通ってくださっている患者さんに七周年の御礼を申し上げたら「私こそ、ここがあったから七年間やってこれました。こちらこそありがとうございます」と返され、うれしくてジンときました。手前味噌ではありますが、こういう気持ちは銭金では買えませんものねぇ。

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