2015年8月19日水曜日
枕について
「先生、枕はどんなの使ったらいいですか?」
これまで何度となくこんな質問を受けて来ましたが、私のお返事はいつも同じ。
「頭の下に敷いていて眠れる枕を使ってくださいね」
ふざけているわけではありません。ひとくちで枕といっても材質や硬さ高さなど様々。ある程度の年齢の方なら一通り経験もしているでしょうから、ソバガラでも羽毛でも綿わたでもお好みのものを。
ただし、ひとつだけご注意!
頭がずっぽり嵌まり込んで、首が動かしにくくなってしまうような枕は避けた方が良いでしょう。昔のホテルによくあった大きい割に中身の詰まっていない羽毛枕とか、ひところ流行った低反発枕(低反発マットも含めて)もあんまり安物は注意が必要です。
人間、どんな動作を起こすにもまず頭が動きます。鼻先を進行方向や対象物に向けて、次に身体が付いていきます。寝返りをする時も同じ。つまり、枕のせいで首を振れなくなると、寝返りも制限されてしまいます。これは少しマズいのです。
身体を整える意味において、寝返りは大きな意味を持ちます。
普段、人間は背骨を“縦”に使っています。そのテッペンにはボーリング球と同じくらいの重さの頭が乗っかっています。つまり、背骨は常に頭を支えるために頑張りっぱなし。
1日を終えて横になった時、背骨は頭の重さからやっと解放されます。当然、次にやっておきたいのは1日頑張った背骨をほぐして労わってあげること。
寝返りこそがその動作なのです。
お天気の良い日、犬や猫が日向ぼっこをしながら背中を丸めたり伸ばしたり、寝転んでゴロンゴロン転げ回ったりしているのを見たことあるでしょう? 実は彼らはああやって背骨を調整しているのです。
ところが人間様だけは頭が良くなりすぎて人前でそんなはしたない真似はできない。我慢強くお行儀良く日中を過ごす。当然ながら背骨に無理がいく。これを解放してあげられるのが睡眠時の寝返りなのです。寝返りを打つことで脊柱を構成している24の椎骨を揺り動かし、身体のバランスをリセットしているのです。
つまり、軽く寝返りを打てる枕が良い枕なのです。「寝ても寝ても疲れが取れない」という方は案外枕にその原因があるのかもしれませんよ?
ちなみに私はソバガラ枕をふたつ使っています。どこにでも売っている安物です。目が覚めた時に枕が頭の下にキチンあることは珍しいです。大抵はどったんばったん寝返り打ってますから。ただ、そのせいで猫たちは私のベッドでは絶対に寝てくれませんけどねw
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