2015年8月18日火曜日

人生五十年? 三十年? 八十年?

 とある高齢の男性のお話し。

 根っからの真面目人間であるこの男性、若い頃から“健康”には人一倍気を使い、早寝早起き、運動し、暴飲暴食はもってのほか、良いと言われる健康法は何でも試し、それはそれは長年熱心かつ真面目に取り組んだとか。

 80歳を目前にして、そんな彼にガンが見つかりました。発見された時にはすでに末期。転移もあり、余命宣告される状態。彼は「こんなに健康に気を使ったのにガンになるなんて悔しい」と酷くショックを受けて落ち込んでしまいました。

 さて、皆さんはこのお話しをどう考えますか?

 私は、この方が節制を欠かさなかったから80歳まで長生きができたのではと思うのですが、本人はそうは考えていない御様子。難しい問題ですね。

 私たちの命には限りがあります。必ず死を迎えねばなりません。では、生き物としての人間の寿命は何年くらいに設定されているのでしょうか?

 あるお医者さんは「子供を生み、その子らがひとり立ちして子供をなすことができるようになるまで育てる」ことが生命のワンサイクルだとするなら、本来の人間の生物としての寿命は30年程度であるとの説を唱えています。

 つまり、30歳以降は余禄であり、いわばアディショナルタイムであると。この長さはそれぞれがどんな生活を積み重ね、何を食べてきたかによって決まる、と。

 織田信長の時代には『人生五十年』と謡われていましたが、今では50歳なんて初老のうちにも入りません。お勤めをされている方にとって定年はまだまだ遥か先です。

 さらにいうなら、今の60〜70歳代の方の肉体は、戦前戦中生まれ世代の同年齢時と比べて格段に若いとのこと。これは終戦を境に食べるものが大きく変わったせいもあると思います。ひと昔前の基準(つまりは現行の判断基準)で考えるなら、実年齢マイナス20歳と言ってもいいほどだとか。

 これは健康に問題がなく、日常生活を普通に送れる状態を指す『健康寿命』にも現れています。男性で71.19歳、女性で74.21歳。『人生五十年』のプラス20年、大体計算が合いますね。

 とまぁ、私のお話しはひとまずここまで。テレビや雑誌などで健康について語る時、ことさら『無病長寿』を尊び、『死』を忌避し憎むかのような論調となります。私たちもまた『死』からは目を外らし、その足音が背後から迫ってくるのに気づかないふりをしたがります。

 しかしたまには「私もいつか死ぬのだな」と思い出すのも悪いことではありませんよ。memento mori

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