2010年12月7日火曜日

石上三年、鍛えて千日

大阪大学で、骨粗鬆症の新薬開発につながる研究に成功したそうです。

骨粗鬆症とは、骨を破壊する働きがある『破骨細胞』が骨の表面に過剰にくっついてしまうことから起こる症状。こうなってしまうと骨は極端にモロくなり、弾力も失ってしまいます。こういった方の身体を触ると、まるで皮膚の下の骨は枯枝のような感触です。もちろん、整体施術なんてとても出来ません。

新しい治療薬は、この破骨細胞を骨に近づくのを防ぐ効果があるそうです。マウスでの実験では、この薬を投与すると、なにもしない場合と比べて骨密度は五倍に増え、かなり症状を改善できたとのこと。これは凄いことです。

そんな世間話をしていたら、患者さんが不安そうに「私にも、その危険な破骨細胞ってあるんですか?」

え〜と、危険じゃないですよ。人間の身体は約60兆の細胞から出来ていて、そのほとんどが時間とともに入れ替わります。例えば皮膚は約一ヶ月で入れ替わりますし、酸性の胃液にさらされ続けている胃の粘膜は3日ですべて新品になります。骨だって例外ではなく、成人で約2年半から3年のサイクルで入れ替わっているのです。つまり、破骨細胞が働いてくれないと、骨はひたすら太く長くなりっぱなしで、とんでもないコトになってしまうかもしれないのです。

「え〜っ、骨って成長したら、そのままかと思ってました」と患者さん。ほとんどの方はそう思ってるんでしょうね。しかし、骨だって生きているし、変化だってしてるんです。

達磨さんは石の上で三年ひたすら座禅を組みました。
宮本武蔵は『千日の稽古を鍛となす』と言いました。

気がつきましたか? いずれも骨の入れ替わりのサイクルと同じ期間なんです。

そして、この期間を経て掴むのが“コツ”だったりするんです。
三年間、ひたすら一つ事に励むことにより、骨が少しづつ入れ替わりながら、その仕事や芸事に合った骨格に変化していく。そして三年が過ぎて骨がすっかりと入れ替わって掴んだもの。つまり『コツ=骨(こつ)』なのではないでしょうか。

もちろん、達磨さんや武蔵が骨芽細胞や破骨細胞なんてことを知ってたはずがないので、この“三年”という期間は古人たちが経験から「モノになる奴はこれくらい辛抱せにゃならんよな」と体得したものなのでしょう。この符合には今更ながら驚きです。

そういえば、私自身も入門から三年までは自分の整体術が効いているやら、いないやら。首を捻りっぱなしで自分が頸椎捻挫を起こしそうな毎日でした。ところが三年を過ぎてからは、患者さんの骨がどうなっているのか、どう技を掛ければどのように動くのかが自然と見えてきたから不思議なモンです。

ちなみに、もうお分かりとは思いますが……

逆に悪い姿勢を三年続けると、骨もそれを覚えてしまいます。そうなってしまうと矯正には当たり前ですが三年以上の時間がかかります。手遅れ(?)になる前に、当院で姿勢と骨格のメンテナンスをおすすめします。

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