2009年3月3日火曜日

骨盤矯正とダイエット 〜その1


「ダイエットしたいので骨盤を閉じてもらえますか?」

「やせないのは骨盤が開いちゃってるから?」

開院以来、こんな問い合わせを何件もいただいている。ここ数年、骨盤矯正がエステや整体の業界でトレンドなのは知っている。しかし正直なところ、彼ら彼女らの言っていることが良く分からないのだ。

解剖学的な骨盤の開閉とは、出産時に産道を確保するために恥骨結合が開くことを意味する。骨盤ダイエット論者が言っている“開閉”とは、この事ではないのだけは何となく分かる。当たり前だ。恥骨結合がそう簡単に開くようじゃ、おちおち尻餅もつけないしなぁ。

個人的な性分として、分からないままにしておくのはシャクにさわるから、書店に行って、骨盤ダイエット関連の書籍やムックを片っ端から立ち読みしてきた。カラフルで可愛い表紙のダイエット本を片っ端から手に取り、立ち読みするヒゲの中年男……端からみたら、かなり不気味だったかもしれない(w

んで、あれこれ本を読んでみて呆れ返った。どの本を見ても骨盤ダイエットの根幹であると謳っているはずの“骨盤の開閉”の説明が曖昧なのだ。中には左右の腸骨が観音扉のように左右に開くかのごとく勘違いさせるような図版を載せている本もあった。そんな離れ業は全身の関節を自在に操るヨガの行者でも無理だわ。

さらにヒドいのになると『骨盤を形作る仙骨と左右の腸骨、座骨、恥骨の七つの骨が……』なんて書いている。これだって嘘っぱちもいいところだ。添付した上の図をみてほしい。腸骨、座骨、恥骨は遅くとも20歳までには軟骨結合して一体化してしまう。七つの骨を動かすなんて、生まれたばかりの赤ちゃんのためのダイエット法か?

いくらなんでもあまりにヒドい。ヒドすぎる。「解剖学の知識を持つ女性なんて少数派だし、そもそも女性は権威に弱くて刊行物に書かれてあることは無条件に信じる傾向にあるから適当でいいや♪」とナメてかかってるとしか思えない。そんな本に大学教授や医師の推薦文が付いてるんだから、世の中ってチョロいもんなのかもなぁ。

では、骨盤ダイエットは血液サラサラと同じ、何の根拠もないトンデモな疑似医学なのか? 

〜つづく

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