2008年10月22日水曜日

共鳴

銀座の歌舞伎座が平成22年4月の公演を最後に建て替えられるというニュースを読んだ。記事中で印象的だったのが「歌舞伎座の音響効果は他の追随を許さないほど素晴らしい」という歌舞伎役者のコメント。さもありなん。1951年(昭和26年)に建築された彼の建物は伝統的な桃山+奈良朝様式。古人の知恵の集大成なのだから……ってわかりづらい?

では、わかりやすく言おう。あの建物を実際にご覧になった方なら、必ず一度は“ある建物”に似ていると感じたはず。かく言う私も「なんで銀座にこんなでっかい銭湯があるんだ?」と思ったクチだ(w んで、銭湯のおなじみのSE(効果音)といえば、誰かが転がした黄色いケロリンの風呂桶が「カコーン!」と響かせる音。あの「カコーン!」は木造の古い銭湯でなければ聞けない。高い天井を持つ独特の建物自体が共鳴しているといってもいいだろう。嘘だと思うなら、鉄筋コンクリートで建てられたスーパー銭湯で風呂桶を転がしてみてほしい。プラスチックの桶が転がる無機質な音しかしないはずだ。

そもそも、銭湯があのような唐破風屋根の寺社風建築となったのは「風呂は極楽」だからお寺や神社を模したという説があるが、現実的には明治以降、廃仏毀釈と国家神道の普及により仕事にあぶれた宮大工の日銭稼ぎが発端なのだ。

んで、お寺や神社で欠かせないのが、やはり“音”であり“声”なのだ。お寺ならば念仏やお経、神社ならば祝詞奏上。それぞれの場で重要な舞台装置である“音”を効果的に響かせ、聞かせるため、古人が知恵を絞り、その蓄積が建築様式に秘められていたとしても何の不思議もない。その知恵が芸能の舞台に応用されることも、しごく当たり前だ。乱暴な言い方をしてしまうと、日本の芸道はすべて宗教にその一端を発しているといっても過言ではないのだから。

ここで唐突に我が家の話になる。宮大工の下で修行し、材木屋の娘さんを嫁にもらった若い棟梁が、その職人気質のこだわりと立場を利用して、予算をはるかに上回る上質の木材を贅沢に使って建ててくれた家だ。

最近、この家の隠れた素晴らしさを発見した。響くのよ、ギターの音が。弦の一本一本の響きがきっちり耳まで届く。今までは気にならなかったはずの微妙なチューニングの狂いにすぐ気づける。ギターのボディが振動を終えても、消え入りそうな弦の震えの余韻が伝わってくる。もうね、毎日ギターを触るのが楽しくて仕方ない。これって凄いことだぜ♪

つまり、何が言いたいかというとだ。新しく建て替える歌舞伎座はコンクリートのビルになるという噂も出ているが「ぜひ日本伝統の宮大工の技を存分に活かした木造建物にしてほしいな」って事である。

※本日よりmixi日記もこちらに統合させていただきました。やはりふたつのブログを同時進行するマメさと器用さは持ち合わせておりませんでした。マイミクの皆さんには笑ってご了承いたたきたくお願い申し上げます。

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